[SS]清清水

2021.01.15

まえがき

ゲーム用に考えてボツになった案です。せっかくなので、ここで供養します。 この物語はフィクションです。

清清水

長い机である。横に 5 席、向かいを合わせて合計 10 席が並んでいる。

座るのは 10 人の部下たち。そしてダーク提督だ。

「フハハ!よく来たな諸君!!」

提督はお誕生日席の位置に 11 席目を用意し、座った。

「それでは、早速ミーティングを始めよう。」

「提督。今回は何の用ですかい。幹部 10 人を集めたんだ。ただ事じゃないでしょう。」

「フハハ・・・。そう焦るな、イービルアイ。お前の大好きな話だ。」

「・・・?まさか・・・!」

予想通りの反応に思わず口が緩む。

「あぁ、そうだ。ついに城を攻める。全面対決だ。」

ざわざわ。動揺の声が部屋に広がる。

「侵略だァ!!思いっきり暴れてやるぜ!!」

ウルトラエクストリームハイパードラゴンが叫んだ。

「フハハ。ウルトラエクストリームハイパードラゴンよ、貴様のブレスは地上の全てを焼き尽くす。

まずは貴様の先制攻撃で敵勢力をとことん削る。期待しているぞ。」

「あァ。けど気をつけな。オレ様は全てを焼き尽くす。敵と味方の区別なんかできねぇからよ!」

ウルトラエクストリームハイパードラゴンは不適に笑った。

幹部たちは思わず息をのむ。

「ケケケーッ!情けねぇゾお前らッ。それでも幹部かッ!?」

しばしの沈黙ののち、ある男が口火を切った。

「フハハ、どうした?フランケンシュタインアンドヴァンパイア。」

「ケケケーッ!お前らそこの火竜さんにビビってんだろ!?弱虫はさっさと消えなーッ!」

「ちなみにミーは不死身だから炎なんてちっとも恐くない!ケケッ!」

「あぁ、その意気だ、フランケンシュタインアンドヴァンパイア。貴様には炎の中を突き進み、

隙だらけになった敵たちを包帯で治療、そのまま眷属にしていくのだ。」

「任せとケッ!」

役所を奪われた幹部たちは悔しいのか、口を強く結んで喋らない。

そんな中、声をあげるものが、また 1 人。

「あの、いいですか?」

「どうした、清清水(きよしみず)。」

「僕は何すればいいですか?」

「あぁ、お前の特技は……なんだったかな。」

「舞台から飛び降りることですかね。」

「なるほど。では清清水、そんな感じで頼む。」

「了解です。」

そのような会話が繰り広げられる中、奴が見かねたように喋りだす。

「もう少し端的に話せませんか?会議の時間がいくらあっても足りない。」

「フハハ……。流石だな、セブンオクロック。その通りだ。では改めて、残りのお前たちに指令を言い渡す。」

「簡単はことだ。その指令とは、国王の首を手土産に持って帰ってくることだっ!!」

ざわざわ。

「提督……、あなたって人は。まさか自分の弟の首を持ってこいと、そう言うのかい。」

「その通りだ、イービルアイ。我が弟の首を討ち取るがいい!」

「全く数奇な運命だ。あれだけ仲良くしてたっていうのに。……そうかい、わかったよ。」

幹部たちの熱量の中に、悲哀の色が混じる。重い空気が流れる。

「あの、僕は八つ橋をお土産に持って帰れば良いですか?」

「清清水、それで頼む。」

「あとは舞妓さんを見れるとラッキーなんですけどねぇ。」

「清清水。」

その時だった。

ぷしゅーーーーーーーーー。

席の一つを占めていた、悪の戦士培養カプセル。

その扉が今まさに開かれようとしていた。

扉の隙間から煙があふれ出る。

「フハハ!ついにその時がきたか。これぞ我が軍の最終兵器。」

扉が完全に開いた。

煙を身にまとい、男がゆっくりと顔を出す。

「さぁ!出でよ。滅茶苦茶破壊力抜群のやつ!!」

「どうも!滅茶苦茶破壊力抜群のやつです!」

その一言で、残りの幹部たちは静まり返った。

皆、分かっているのだ。そこにある埋まらない力の差を。

その時だった。

ぷしゅーーーーーーーーー。

悪の戦士培養カプセル。もう一つあったらしい。

扉が開く。煙があふれ出る。

「フハハ!もう一人いたかな、さぁ出でよ。そしてお前の名前を聞かせてくれ!」

扉が完全に開いた。

その男は、こちらを見て、ゆっくりと答えた。

「あっ、清清水です。」

残りの幹部たちは静まり返った。

彼が小さな声で"これが、わびさびってやつっす"と言ったのを、提督は聞き逃さなかった。

おしまい。

あとがき

何これぇ!?!? 自分でも意味分からん。

はぁ、なんか疲れた。参考になれば幸いです。

© 2019 Void Games